忍者ブログ

茶楽悦楽

茶道具のオススメや好きなものを中心にレビューします。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

禅語「萬歳萬歳萬々歳」のお話

禅語 萬歳萬歳萬々歳のお話

はじめに言っておくと、今回は(も?)禅語の説明はあまりでませんので、ご注意下さい。



「萬歳」とは、元々中国で乾杯の時の掛け声でした。
酒を酌み交わす相手の長寿を願って、萬年の時を過ごせる様にと、長寿繁栄を願う言葉でした。

しかし時代が経つにつれて、徐々にその言葉は酒席だけでなく、めでたい時の慶賀の辞として祝う言葉となりました。

嵩山
 嵩山(すうざん) 中国河南省登封市にある山岳群。


さて、この言葉がどこで現れるのかというと、中国の史書である『漢書』の中に記述があります。

前漢の武帝が元封元年の正月に中国の五岳(5つの偉大な山)の一つ嵩山に登って、天に対して鎮護国家を祈った際、臣下が万歳、万歳と声をあげたところ、山々にこだまして、「万歳、万歳、万々歳」と聞こえたという故事に由来します。

当時の時代背景は、戦国時代の末期に“秦”が六国を滅ぼし、天下を統一しましたが、その王朝は秦の始皇帝の死後、すぐに終わる短命の王朝でした。

その後、各地で起こった反乱も収束し、最後に残った二大勢力である楚の項羽と漢の劉邦が覇権をかけて争い、劉邦の勝利で終わって、漢王朝が成立しました。

高祖劉邦の死後、妻であった呂太后(中国三代悪女の一人と呼ばれています)によって宮廷内は粛清の嵐となりましたが、その後、文帝、景帝の治世で漢帝国は富み栄えました。

そして登場したのが、前漢の武帝です。

武帝は北方の脅威であった匈奴を攻め、中央集権体制を確立し、文化的には司馬遷に『史記』を編纂させるなど、漢王朝の全盛期を迎えました。衛青や霍去病などはこの時に活躍した武将です。


その武帝が先述したように、鎮護国家を祈願したときの情景がこの言葉の元々の出典です。
これは、全山にこだまさせるような大きな声を発するほど、臣下が多く、国が盛り栄えていたことを示すそうです。

ちょうど、昔読んでいた中国十八史略の二巻目を読み終えたばかりなので、今私の中で漢帝国はかなり熱い時代になっています。

今回はかなりグダグダな内容でしたね。
それでは今日はこのへんで。
さようなら。

【送料無料】小説十八史略(1) [ 陳舜臣 ]

【送料無料】小説十八史略(1) [ 陳舜臣 ]
価格:830円(税込、送料込)

PR

楽茶碗の匂いのお話3

黒茶碗

気になる茶碗の匂いのお話しをします。

3回目と引っ張ってきましたが、今回で一段落ですね。
さて、さっそく始めましょう。


前回は茶碗の匂いの原因であるカビの発生についてお話しさせていただきました。

原因がカビっていうのがわかったんだから、さっさと対策を教えろよという声も聞こえるような気がします。ではどうして私があんなに原因について説明したかというと、ズバリ匂い対策は予防が一番だっていうことを言いたかったからです。

結論からいうと、匂いが発生してしまった時点で、それ以前のように戻ることは、ないとはいいませんが結構難しいことなのです。たとえて言いますと、お風呂場にカビが発生したとします。あなたはそれをどうやって除去しますか? ということです。

私なんかは迷わずカビキラーです。
でも、人の口に入れる、なお且つ陶器の中でも格段に弱いとされる「楽」茶碗に漂白剤を入れることなんてできやしません。

一度、漂白した茶碗を手に取ったことがあるんですが、確かにカビの匂いはしなくなっていましたけど、代わりに塩素系のプールの匂いが充満していました。あんな茶碗では飲む気がうせてしまいますねぇ。

では、肝心の本題です!
どうやって匂いを取り除くのでしょうか?
(答えは箇条書きにしました。後からコメントつけます)

===========================================

 プランA : 電子レンジでガーっとする

 プランB : 抹茶を点てまくる。

 プランC : 米櫃の中に仕舞っておく

 プランD : お湯を入れたら、ちょっと放置、でその後に乾かす。

===========================================

では参りましょう!

まずはプランAです。
初めに言っておきます。これは勧めません。

なぜかと言うと、効果はあるようなんですか、茶碗が痛むリスクが大きいので、
もうどうしようもない、ダメなら捨てるしかないような、そういう切羽詰った時にしかやらないで下さい。
ちなみに責任は取りません。取れませんし。


ではプランAのやり方ですが、電子レンジに中が入っていない空の茶碗を入れて、レンジで適当に加熱します。
具体的には茶碗がアツアツになるくらいで、私が横から見ていた時は一分単位で確認していました。
レンジで加熱すると、茶碗の中が完全に乾燥し、カビの胞子などが死滅します。
やりすぎにはくれぐれも気をつけて下さい。


プランBは、1回目で話した内容に近いです。
要は発生したカビの匂いを上からの渋塞いでしまおうという作戦です。手間はかかりますし、効果は少しずつですが、一番正統派のやり方ですね。
点てて、捨てて、洗って、乾燥させて、また点てる。それの繰り返し。

プランCは、一応書いていますが、試したことも試したのを見たこともありません。
古いお茶道具屋さんの主人や、先生方の間では昔から言われていることですね。
効果も、意味もよくわからないので、ここは流します。


最後のプランDですが、これは実際にはプランBと組み合わせて使って欲しいやり方です。
これだけは詳しく説明しますね。

まず、茶碗を用意します。
そこへ熱いお湯を入れます。どれくらいかというと、沸騰させた後のポットのお湯くらいでしょうか。
沸騰させたお湯でもいいのですが、あんまりボコボコすると怖いですから、程々に。
茶碗の縁ぎりぎりまでいれて下さい。

それから20分くらいつけておくと、茶碗の外側には、うっすらと汗がかかれます。
さらに10分程度つけたら、中の湯を捨ててください。

それを数日かけて、じっくり乾かしたら、プランBの通り、抹茶を点てましょう。

そうするうちに茶碗の匂いが気にならなくなると思います。


いずれの方法を試しても、それは皆様の自由ですが、茶碗がなるべく長く使えるように大切に扱って下さい。
一度匂いを取ったからといって、また湿気が残っている状態で仕舞ってしまうと、また発生するかもしれません。普段からの行いが一番大切ですね。


以上で終わりますが、今回のやり方を行っても、当方では責任は取れません。
試される際は自己責任でお願いします。


楽茶碗の匂いのお話2

さて今回は、前回から続いている楽茶碗の匂いについて、お話しの続きをしたいと思います。

前回は未使用品に多い、釉薬の匂いについてご説明しましたが、今回は使用品や中古品に多い、カビの匂いについてお話します。


まず、何故カビが発生するかについてお話しましょう。

カビが発生するには、「温度」「湿度」「養分」の三つが必要です。
その中で、一番問題になるのは、「湿度」です。
極端なことを言うと、カビが発生した茶碗のほとんどが茶碗を乾かさずに収納されています。


「いいえ、ちょっと待って、私はしっかり乾かしたわ」とおっしゃる先生の多くが誤解されていることがあります。

茶碗の表面にかかっている釉薬はガラスのようなものです。
ガラスのようなものとは、つまりかるく拭うだけで、表面は乾きます。
しかし、本当に乾かしたいもの、乾かせなければならないものとは、その内側の素地の部分です。


ここが乾くのには、本当に時間が掛かります。
なぜなら、表面のガラス質が邪魔をして、湿度が外に逃げづらくなっているからです。

そうして十分に乾かないまま茶碗は箱の中に仕舞われます。
特に薄紙や布で包まれてしまうと、さらに湿気は籠ってしまいます。

茶碗は使った後、茶渋が貫入に残ります。
それは言いかえれば「養分」です。

後は「温度」があれば、カビの育つ絶好の環境です。
最近は、どこの家庭でもエアコンなんかで、過ごしやすい環境が整っています。
人にいい環境は、カビにもいい環境です。

そんなわけで、カビの発生した茶碗には、独特の匂いが発生します。
これが茶碗のカビの正体です。


長くなりましたね。

カビの匂いの対策は次回にまたお話しましょう。

それでは今日はこの辺で。
さようなら。

楽茶碗の匂いのお話1

実は風邪を引いてしまいました。

私の風邪は鼻から来るみたいで、寝るときは詰まって苦しいし、起きてる時は鼻水がつーと垂れてしまうし、とてもしんどいです。今日もご飯はうどんをすすっておりますが、風邪のせいか味が全然わかりません。

せっかく武蔵野風肉汁うどんを作ったのに、肉は残すわ、美味しくは感じないわで、とても残念でした。
(食欲だけは減りません)

美味しさを感じるには、味覚だけでなく、嗅覚も必要だという話をよく聞きますが、風邪のときは本当にそう感じます。

鼻がつまっていると、味がなんだかよくわからなくなりますよね。
逆に嗅覚が邪魔して、美味しさが半減することだって多いんです。


長すぎましたね、ここからが今日の本題です。

楽茶碗の匂いが気になったことってありませんか?

何か鼻につく、その匂いの原因は大きく分けて2つあります。


■ 一つは買ったばかりの茶碗に多い、釉薬の匂い。

■ もう一つは使った茶碗に多い、カビの匂いです。


まず、買ってきたばかりのお茶碗や初めて使うお茶碗に多い、釉薬の匂いの取り方です。
ちなみにこれは赤茶碗や飴茶碗の方が起きやすいですね。


知っている人も多いかと思いますが、楽茶碗の焼き方は大きく分けて二つあります。ひとつずつ窯の中に入れて、取り出す「黒茶碗」の焼き方と、複数個を窯に入れて焼成する「赤茶碗」の焼き方です。

黒茶碗は、1000から1200度程度の温度で、数分という短い時間焼いて、すぐに窯の外に出します。
それに比べて、赤茶碗は800度程度の低温で、もう少し長く焼きます。

黒茶碗は、焼成時間が短いといえ、高温で焼かれているため、割と焼き締まります。
それに比べて、赤茶碗(飴茶碗や絵付の茶碗など)は温度が低いため、割と柔らかいのです。
せんべいより少し硬い程度の強度でしょうか。

そのためか、釉薬が溶け残ったような鼻につく匂いが残る場合があります。

これの取り方ですが、まずは間違ったやり方をお話しましょう。
それは、
          「煮沸をする」 です。

これは、絶対にやってはいけません!!

何故かというと、赤茶碗は低温度で焼いているため、茶碗の中が焼き締まっていないのです。

そんな茶碗に煮沸なんてやってしまうと、焼き締まっていない部分にダメージをくらって
茶碗の強度が低くなります。

ダメ。ゼッタイ。( ̄▽ ̄;)

======================================================


で、正解というか、効果のあるやり方ですが、少しめんどくさいです。
でも仕方ない。皆さん頑張ってください。

それは、
          「お茶を点てる」 です。     

稽古で余った抹茶などを使って、普通にお茶を点てて、捨てて、洗って、乾燥して、またお茶を点てるという繰り返しです。

結局、匂い自体は釉薬のものなので、取ることはできないと思ってください。
その上で、お茶を点てることを繰り返すことで、少しずつ器の中に渋を付けていきます。

この時に横着して「じゃあ茶をいっぱい点てて少し放置しておけば、回数少なくていいんじゃない」と考える人がいるかもしれません。

やめたほうがいいと思いますが、無理に止めはしません。
ただそういうやり方は、業界的には俗で「古色を付ける」といい、不自然な景色になると思いますので、自己責任でお願いします。

あ、後注意するのは、一回一回しっかり乾燥させることです。
知っての通り、楽茶碗は茶碗の中まで乾燥させるのに、結構かかります。
(風通しの良い場所で、3日から一週間程度かかります)

これを失念していて、短いスパンで繰り返すと、先ほど書きましたが、茶碗が傷んでしまいます。

最悪、せんべいのようにボロボロ崩れ壊れますので、ご注意下さい。
(そんな茶碗を一度だけみたことがあります)

======================================================


次回はカビの匂いの取り方についてお話したいと思います。

それでは、今日はこの辺で。
さようなら。

嶋台茶碗の塗り直しのお話


皆様初釜お疲れ様でございました。

2月に入り、取り敢えず一息ついていることかと思います。


さて、今日はタイトル通り、嶋台茶碗のお話をさせていただきます。


嶋台茶碗とは、こんなのです。


多くが赤楽茶碗で作られています。
まれに飴釉や、交趾焼で出来たものもあります。

井戸形に開いた一双の茶碗で、小さい方の内側が金箔、
大きい方の内側は銀箔が貼られています。

千家では、主に正月に使われる縁起物の茶碗です。

なぜなら、茶筅(ちゃせん)で茶を点てた際に、箔が剥離して、金箔入りのお抹茶が
出来上がるからです。金箔入りのお酒を飲むのと同じ意味ですね。


これも、年に一回と言っても、数年使っていると、内側の箔が禿げていきます。

あんまりひどく禿げた場合は、見栄えの問題もありますので、修理に出します。
それにちょうどいいシーズンがまさに今なんです!


それにはこんな理由があります。

実は箔を貼るのには、「漆」を糊の代わりに使っているのですが、
この「漆」が乾燥するのに必要なのは、実は「湿気」なんです。

湿度が少ないほうが乾き易いだろと思うかと思いますが、
(実は私もこの間までは知りませんでした)
漆が乾燥するのには、適度な湿気が必要なのです。

まあ、話がそれますので、それは今度・・・。


ということで、嶋台茶碗に箔を貼るのは、まさに今です。

これから訪れる春の雨、五月雨、梅雨、秋の長雨など、水分がある時期を狙い、
しっかりと乾かすことで、ベロンと剥がれるのを防いでくれます。

ちなみに、価格ですが大体どこも8,000円~12,000円くらいでしょうか。
あとこれに送料を負担させる場合がありますので、そうですね、高くて大体20,000円くらいでしょうか。

お近くの道具屋さんに持って行って相談してみてください。




これが





こうなるそうです!!!!



なお、10月とか11月くらいに箔貼りをした場合、ベロンと剥がれる覚悟があれば
いいと思います。

まあ、もったいないですね

それでは今日はこの辺で。
さようなら。

プロフィール

HN:
ゆげ丸
性別:
男性

カレンダー

02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

フリーエリア

最新コメント

バーコード

ブログ内検索

P R

忍者アナライズ

コガネモチ

忍者カウンター

Copyright ©  -- 茶楽悦楽 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]