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カテゴリー「茶道具 その他の素材」の記事一覧

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象牙? ラクト? 茶入蓋のお話

最近セブンイレブンで売っているブラックサンダーアイスにハマってしまいました。
いつもはピノか雪見だいふくの私が、ふとした折に買ってみたブラックサンダーアイスがとても美味しく、初めて買った次の日に、一週間分として12個買って帰ったら、妻に怒られました。

私です。

さて、今回は茶入の蓋についてお話させていただきます。

もともと古い茶入の蓋は、象牙製のものがほとんどでした。

何故象牙が使われたについては、諸説ありますが、おおよそこういうようなことだろうと考えられています。


 1、希少性がある。

 2、加工しやすい。


まず、1については現在でも同じように希少性の高さが、ひとつの価値とされていますので、
改めて説明の必要はないでしょう。
ただ、当時よりもずっと手に入りやすいものだと考えられています。


次に2つめですが、これは硬さの問題です。

例えば、先の1については、他にも候補があったろうに思えます。

翡翠や珊瑚は昔から日本では希少性のあるものとして見なされていました。

しかし、翡翠は鉱物の為、陶製の壷の蓋には硬すぎて、茶入本体に傷をつける可能性がある為、選択肢から外されています。

珊瑚は象牙と同じく、自然由来の宝石なので、可能かと思われますが、珊瑚自体の大きさが、茶入の蓋には足りないものが多かったのでした。さらに日本でも珍重された珊瑚は、高額になればなるほど赤みが強く、茶の湯の席にはそぐわないものでした。
(俗に言う血赤サンゴと呼ばれていますね。)

そのほかにも、当時の同朋衆(簡単に言うと、将軍に侍る文化人)による見立ても大きな要因の一つです。
あの乳白色の蓋が乗せられた茶入には、何とも言えない気品が感じられますね。


まあ、そんなことを言っても、ワシントン条約以降、象牙を取り巻く環境は厳しくなり、各国間での
象牙の輸出入は禁止されました。
つまり国内に残っている少ない象牙でやりくりしなくてはならなくなったのです。

象牙は小さい蓋ならともかく、それなりの大きさの蓋を作るには材料がどんどん減って、高価な物になっていきました。

そうした中、開発されたのがラクト蓋と呼ばれるものです。


ラクト蓋とはすごく大雑把に言うと、牛乳を固めた象牙風の蓋のことです。

もう少し丁寧に説明すると、牛乳を加熱した時に表面上にできる膜がありますよが、あれは牛乳の中にあるたんぱく質が膜状に固形化したものなんですが、これを化学的に精製し、抽出した「乳たんぱく質」を素材としたものがいわゆる「ラクト」です。

ラクトアイスなどの「lacto」という言葉は、ラテン語の「乳」という言葉ですが、茶道具的な意味では、乳たんぱく質を素材とした「人工象牙」のことをいいますね。


現在、日本で作られている茶入蓋の多くは、
「象牙(本象牙)」「ラクト(人工象牙)」「樹脂製(プラスチック)」
の三種類となっております。


(上から 象牙、ラクト、プラスチック)


ラクトは非常によく出来ており、本象牙のようにマーブル模様が浮き出ています。
また質感や重みも非常に象牙に近いものがあります。

樹脂製の蓋の場合、ラクトのようなマーブル模様はなく、
重さも軽くなってしまいます。
さらに見た目も若干良くない感じですね。




★★ここだけの話★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

★ ラクト蓋を削るのも、象牙蓋を削るのも、同じ加工賃が掛かります。
★ 小さいサイズのラクト蓋を作る場合、象牙蓋とあまり金額が変らないのです。
★ (多少は変りますが)

★ 茶入が大きな口の肩衝や、内海、大海になると、それに合わせる象牙が
★ 少ないので、結果的に高額になります。
★ 
★ これから陶芸教室で茶入を作って、仕服や牙蓋を仕立てる際は、
★ 少しだけ、考慮すると良いのかもしれません。
★ 
★ 



それではブラックサンダーアイスを食べて寝ることにしましょう。

それでは今回はこの辺で。
さようなら。

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男性

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