名前だけでちょっと格好良い茶器があります。
龍頭(りゅうず)茶器がそれです。
私が知っている限り、龍頭のものは
・裏千家八世 一燈好 龍頭茶入
・裏千家十一世 玄々斎好 龍頭茶器
の二つがあります。
一燈好の龍頭茶入は、木製の濃茶入として好まれました。
材は桐を使い、牙蓋が付いています。
箱書には「木茶入 銘龍頭」とあります。
裏千家十一世の玄々斎は、その一燈好の茶入の蓋を木地に替えて、
再好されたものです。
「再好」とは、一度それまでの家元達が好んだ形の道具を、一部変えて自らの
好とするもので、有名なもので、「更好棚」などが知られています。
最初、私は龍頭茶器を知った時、時計の摘みの部分の形状のことかと思いましたが、
全然関係ありませんでした。

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時計のココも龍頭って言うんです。
一燈は龍頭茶入の木目が龍を巻いているように見えるところから名づけられたと言われています。
また、お寺にあるような梵鐘を吊り下げる縄を掛ける部分を龍頭とも呼ばれ、その形状に似ているから、
龍頭茶器と名付けられたとも言われています。
本当はどうなのでしょうか?
最近は、特に見なくなった茶道具ですが、中々由来の多い茶道具なので、
1、龍を干支として、干支「辰」に合わせる。
2、龍頭を“梵鐘”に見立てて、道成寺として干支「巳」に合わせる。
3、龍を「登竜門」として連想させ、5月の節句に使う。
4、龍を「水の神」とみなして、水に関連して取り合わせる。
などなど、色々遊べると思います。
作家さんものでは、鈴木表朔さんのを見たことがありますが、
あまり作っている人はいないでしょうね。
中々、普段使いやすい茶器とは言えませんが、
形状からして愛着の湧きやすい可愛らしさがあります。
もしも、手に取る機会があれば、様々にお楽しみ下さい。
それでは、今回はこのへんで。
さようなら。
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