ちょっと前の夜中に、テレビをつけたらエヴァンゲリオンのコスプレをした女の子がヨーロッパを猿岩石みたいに放浪する番組をやっていました。
眠気が来るまでと、見ていたんですが、これが中々ローカルテイスト抜群で面白い。「
ロケみつ」という番組でした。皆さん見てみて下さい。
その時は、女の子がスイスの山でパラグライダーをするとかしないとかで、ダラダラとしていた回でした。
スイスっていうのは、永世中立国で、物価が高い国だそうです。
治安もいいみたいですね。
ところで、それから少しして私が読んだ本の作者が、スイス出身なことを知って、やけにスイス絡みだなーって考えていました。多分気のせいです。
私の読んだ本は、日本経済新聞出版社発行のヘルベルト・プルチョウさんの書いた
「茶道と天下統一」という本でした。
私がこの本を手にしたきっかけは、もちろん茶道について書かれたものだからという理由ですが、本の帯に付いているアオリが秀逸だったからです。こんな感じです。
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秀吉、家康、政宗。
武将たちは茶道をどう利用したのか?
茶道が「国家儀礼」として果たした役割を
国際日本学の視点から解き明かす。====================================================
どうですか?
まず、私がこの帯に抱いた印象は「…?」でした。
もしこの帯を書いた人が、歴史の好きな方でしたら、「秀吉、家康」に並べる名前は当然「信長」になるとは思いませんか? 何故そこで政宗なんですか? 大名を指定するなら、細川家や前田家だってあっただろうに。
それより茶道って「国家儀礼」だったのかなどと、帯にやられてしまい、本をレジまで持って行ってしまいました。
家に返って、ページをめくってみると、そこの言葉ひとつひとつが面白い。
「
茶の湯が善かれ悪しかれ単なる趣向を超え国家儀礼にまで発展した結果、利休は死ななければならなかったのである」(「茶道と天下統一」プロローグより)
「
実際利休は秀吉の単なる茶の湯の宗匠だったのではなく、いまでいう官房長官のような存在だったに違いあるまい」(「茶道と天下統一」第六章より)
文章自体は少し硬く、論文調で書かれており、引用も多いので、取っ付きにくい印象があるが、内容はぐいぐい引き込まれます。
この論が納得できるできないということではなく、「ああこんな考えもできなくはないなぁ」というよいに、別視点、あるいは別観点で分析しているところが、とても面白い本でした。
茶道好きで尚且つ歴史好きな人には、是非読んでもらいたい本です。
高校生なんか「信長の野望」を遊んだあとに、この本を読めばそれで日本史の受験対策になるんじゃないかって思うくらいです。
追記
紹介した本の著者ヘルベルト・プルチョウ氏は、昨年くも膜下出血の為、永眠されたそうです。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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