禅語 萬歳萬歳萬々歳のお話
はじめに言っておくと、今回は(も?)禅語の説明はあまりでませんので、ご注意下さい。
「萬歳」とは、元々中国で乾杯の時の掛け声でした。
酒を酌み交わす相手の長寿を願って、萬年の時を過ごせる様にと、長寿繁栄を願う言葉でした。
しかし時代が経つにつれて、徐々にその言葉は酒席だけでなく、めでたい時の慶賀の辞として祝う言葉となりました。

嵩山(すうざん) 中国河南省登封市にある山岳群。
さて、この言葉がどこで現れるのかというと、中国の史書である『漢書』の中に記述があります。
前漢の武帝が元封元年の正月に中国の五岳(5つの偉大な山)の一つ嵩山に登って、天に対して鎮護国家を祈った際、臣下が万歳、万歳と声をあげたところ、山々にこだまして、「万歳、万歳、万々歳」と聞こえたという故事に由来します。
当時の時代背景は、戦国時代の末期に“秦”が六国を滅ぼし、天下を統一しましたが、その王朝は秦の始皇帝の死後、すぐに終わる短命の王朝でした。
その後、各地で起こった反乱も収束し、最後に残った二大勢力である楚の項羽と漢の劉邦が覇権をかけて争い、劉邦の勝利で終わって、漢王朝が成立しました。
高祖劉邦の死後、妻であった呂太后(中国三代悪女の一人と呼ばれています)によって宮廷内は粛清の嵐となりましたが、その後、文帝、景帝の治世で漢帝国は富み栄えました。
そして登場したのが、前漢の武帝です。
武帝は北方の脅威であった匈奴を攻め、中央集権体制を確立し、文化的には司馬遷に『史記』を編纂させるなど、漢王朝の全盛期を迎えました。衛青や霍去病などはこの時に活躍した武将です。
その武帝が先述したように、鎮護国家を祈願したときの情景がこの言葉の元々の出典です。
これは、全山にこだまさせるような大きな声を発するほど、臣下が多く、国が盛り栄えていたことを示すそうです。
ちょうど、昔読んでいた中国十八史略の二巻目を読み終えたばかりなので、今私の中で漢帝国はかなり熱い時代になっています。
今回はかなりグダグダな内容でしたね。
それでは今日はこのへんで。
さようなら。
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