今日は濡れ水指の話でもしようかと思います。
濡れ水指とは、無釉の水指の陶肌を湿らせて用いることです。
信楽焼や備前焼、伊賀焼、丹波焼、南蛮手などに使うやり方です。
無釉の土肌は、水を含ませることで艶が増し、素地の発色が美しくなります。
さらに席中で徐々に陶肌が乾いていきますので、そこで水指の景色が変わっていくという面白さもあります。
水に濡れた色味は如何にも涼しさを感じさせますので、暑い時季の趣向としても喜ばれます。
ただ、この水を濡らす趣向ですが、きちんとしたやり方でやらないと畳や棚が傷んでしまいますので、ご注意下さい。
まず、点前で使う時間の五十分くらい前から十分ほど水指を水に付けておきます。
それから水から取り出して、水屋の簀子の上に少し置いておきます。
次に固く絞った布巾でしっかりと表面の水分を拭きます。
これでOKです。
これから暑くなる時期に、濡れ水指の趣向でお楽しみ下さい。
それでは今日はこの辺で
さようなら。
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