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懐紙のお話

茶の湯に携わった人や稽古している人なら、懐紙について知らない人はいないでしょう。

皿のように菓子を取る器に使ったり、茶碗の縁を拭ったりするのに使う和紙です。
女子用は14.5cm×17.5cmの二つ折りで、14.5×8.5cm程度、男性は一回り大きな寸法のものを使いますね。


しかし、それとは別に茶席の中では別な「懐紙」が出てきます。
そう、掛軸の呼び名の一つとして、「懐紙表具」という言葉がありますよね。


こんなのです。

まあ、知っている人もいると思いますが、今日はこの二つの「懐紙」についてお話ししようと思います。



まず結論から先に言うと、掛け軸で呼ばれる懐紙の方が古くからある名前です。

懐紙とは元々、和歌、連歌、漢詩などを詠進する際に用いる用紙でした。

紙の種類は無地系で「檀紙」(表面にちりめんの皺がある厚手の和紙)、
「鳥の子」(鳥の子、つまり卵殻の色に似た少し黄色がかった白色の和紙)、
「奉書」(楮を主原料とした和紙。室町幕府が命令書に使ったことから命令という意の「奉」を用い、奉書と呼ばれた)

模様や下絵のある紙では、「飛雲」「遠山」「霞引」「打雲」などがあります。
(それぞれ、模様や景色が金や顔料を用いて作られたものです)



なお、この懐紙ですが、使える紙の寸法に約束がありました。
天皇は天地45.4cm、親王、摂政は39.4cm、大臣から参議までは36.4cm、それ以下は33.3cm前後と決められていました。

こうして書かれた和紙などを表具したものが、いわゆる「○○懐紙」と呼ばれたりします。
有名なものは後鳥羽上皇が熊野詣での折りに書いた「熊野懐紙」や後醍醐天皇の歌会で使用された北山懐紙などがあります。



そして、現在茶席で実用として使われるのは、懐中紙の略語としての「懐紙」で、逆に今まで単に懐紙と呼ばれていたものは、和歌懐紙や詩懐紙などと表記されます。

これは市場の流通量の違いでしょうが、現在では圧倒的に茶席用懐紙の量が多いのからでしょうか。


つまりは、「青は藍より出でて藍より青し」です。


相変わらず今日もオチがありませんな。
それでは今日はこの辺で。
さようなら。










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