よく、裏千家流の茶道の先生の内、特定の人のことを業躰さんと呼ぶことがあることを知っていますか?
裏千家以外ではあまり使われない呼称なので、他流派の方では知らない方もいると思いますね。
「業躰」とは、「ぎょうてい」と呼びます。
裏千家では今日庵業躰ナントカ先生と呼びますね。
そんな「業躰」さんですが、元々は家元に居住して斯道(しどう。ひとつの専門的な道のこと)の修行をしている人のことを指します。
他流派ではあまり使われず、裏千家でのみ昔からそう呼んでいるようですね。
裏千家の内弟子の暮らす部屋には、裏千家11世玄々斎が直筆された「業躰部屋心得」という心得書が残っているそうです。
現在では御家元の内弟子として茶の湯を学んだ人のことで、家元に変わって各地に指導をされる先生のことだけを指す場合が多いですね。
まあ、茶道用語としての「業躰」は上記の説明でいいのですが、本来の「業躰」の意味はなんなのでしょう。
まずは「業躰」という言葉を紐解いてみましょう
「業」という字の意味は「家業」「職業」に代表されるように、暮らしの手だてを得る為の仕事のことを指します。
学生の本分は学業で、職人の本分は職業という訳です。
そして「躰」という字は「体」「躯」などと同じ「身体」という意味を持ちます。
二つ並ぶと「暮らしの手立てを得る」「身体」になりますが。さらにその文章を押し進めて、「暮らしの手立てを得る為に身を捧げる」としてみましょう。
「身を捧げる」というと、どういう状態でしょうか。
家業を持つ人とはつまり、家で何らかの仕事をして、生活の糧を得ている人のことです。つまりは工芸人や職人のことですね。その仕事に身を捧げるということは「家業を引き継ぐ為の身体」という意味で、つまりは家業を継ぐ為の後継者のことをそう呼んだのです。
もっとも今はあまりその意味では使われなくなりましたが…。
つまり「業躰」という言葉には「業を引き継ぐ人」という意味で、後継者や弟子のことを指すのですよ。
明日は旅行に行ってきます。子供と触れ合う時間、とっても楽しみです。
それでは今日はこの辺で。
さようなら。
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