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茶楽悦楽

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空海さんのお話

旅行先で車のバッテリーがあがってしまいました。ホテルの人に直結してもらうも、動かずダメ。
結局ロードサービスに来てもらいましたが、電圧を測ってもらうと、11.9vとのことで、エンジンを掛けるには12.6vあればいいとのことでした。
あと少しのところで運がなく、8,000円の出費となりました。

ハプニングは旅の醍醐味と言っても、金銭的に出費の出るハプニングはいらないのに。

という訳で、今日は気分が落ちているので、簡単にいきます。



今日の話しは、空海さんのお話しです。
といっても、まだ生きている空海さんではありません。
(空海さんは、現在1239歳で、高野山で座禅しているそうです)


では、空海さんについてお話しする前に、一人の人物を知っておかなければなりません。それは能阿弥という人です。能阿弥さんは室町将軍の足利義教、義政に仕えた、所謂同朋衆と呼ばれると呼ばれる人でした。

同朋衆とは、室町以降の将軍に仕え、芸事を司った人々の集団のことです。

能の大成者、観阿弥、世阿弥親子と並んで有名なのが、この能阿弥一族です。能阿弥の子に芸阿弥がおり、さらにその子相阿弥の三代が非常に有名な存在です。

ただし、テストには観阿弥、世阿弥親子の方がでます。『風姿花伝』の方が、テストに出しやすいからでしょうか。

観阿弥、世阿弥親子が「能」で有名になったのに対し、能阿弥たちが有名になったのは、まさに茶の湯に関連のあることです。つまり「書院飾り」を制定し、「唐物」の鑑定の第一人者として、名をあげました。
さらに、自らも水墨画を書き、将軍の宝物の表装なども手がけました。
また、連歌、立花(華道のようなもの)、香道にも精通し、現在東山御物と呼ばれる宝物の多くを、この能阿弥たちが制定しました。


そんな能阿弥の小姓として使えていたのが、島右近と称した後に「空海」と号する人物がいました。

この人は能阿弥に茶の湯や連歌などを師事し、身につけた人と言われています。
後に応仁の乱を避け、泉州(今の大阪府)堺に隠居して、隠居後の自らを「空海」と称した人物です。

同じように乱を避けて堺に逃げた人に、利休の祖父と言われる田中千阿弥がいますね。

この空海さんと言う人は全然知られていない人ですが、この人の弟子に道陳がいます。
そう、利休の初めての師として知られる北向道陳さんですね。


丁度この空海という人と利休の祖父である田中千阿弥との共通事項ですが、

 1、京都から乱を避けて堺に来た。
 2、二人共将軍家に仕えていた。特に仕事は同じ芸事であった。

この二つがあります。
そして、年代ですが、とても簡単に乱暴に書くと下の表のようになります。






利休の血脈

利休の茶の湯

田中千阿弥
   ↓
田中与兵衛
   ↓
田中宗易(利休)

空海(島右近)
   ↓
北向堂珍
   ↓
田中宗易(利休)



利休さんは道陳の後、紹鴎に指示し、さらにどんどんと自らの茶の湯を作り上げた人なので、決して利休の茶がこの空海さんの茶の湯だとは言いません。

しかし、年代的なところからいっても、この空海と田中千阿弥の間には、何らかの縁があったのではないかと考えられます。

利休の父、田中与兵衛は商才があり、納屋集(貸し倉庫業のようなもの)として、財を築きました。
そんな中、利休が茶の湯を学んだのには、祖父の同朋衆としての文化人の一族という誇りがあったのかもしれません。あるいは、与兵衛がそう考えて、利休に命じたのかもしれません。


どちらにせよ、利休の茶の湯のベースの一つに、この同朋衆、つまり書院の茶の素養があったことは興味深い事実でしょう。


オチもありませんが取り敢えず、今日はこの辺で。
さようなら。

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